4 ワイン(特に白ワイン)の澱について

 既に私たちは、赤ワインの澱が主にタンニンや色素のアントシアニンからできていて、ワインの熟成には必要不可欠のものであり、決してワインの悪化したものでないことは良く認識されています。

 ところが、白ワインやスパークリングワインの澱については、まだ赤ワインほどの共通認識はないようです。
 白ワインの澱は、赤ワインほど頻繁に発生するものではありませんが、それでも透明度の高いワインですから、発生すると目立つことになり、時として苦情の原因になります。しかし、そのほとんど全てが全く問題がないばかりでなく、かえって高品質を保証するものです。以下のものがほとんどその原因です。


透明な塩のような固形物も黒い固まりも全て酒石酸の結晶
 酒石酸の結晶
 細かいクリスタル状の結晶、時としてガラスの混入と間違われますが、これが酒石酸カリウムの結晶です。瓶の底に固まったり、コルクに固まってこびりついたりします。エキス分の多い、主にノンフィルターのワインが13℃以下程度になったときに発生しやすくなります。しかし、ワインについては何ら悪い変質をしたものでないことが専門家達の間で保証されています。むしろ「ワインのダイヤモンド」とさえ呼ばれています。

 

 酵母の死骸の一部若しくはタンパク質の結晶
 細かい粉のようなもので瓶を揺らすと浮遊する白いものは、酵母の死骸です。酵母の死骸はブルゴーニュ、ボルドー、シャンパーニュ、ミュスカデなどで、ワインの香りと味わいをとても豊かにするために意識的に長期間浸しておくものです。(シュルリー)また、ワインを構成するタンパク質や、大きく結晶する前の酒石酸なども長い熟成により澱となって固まってきます。
 これらは瓶詰めの作業の前に澱引きをしたり、一部はフィルターをかけたりして取り除きますが、それでも特に豊かなワインほど残る可能性があります。
 高級ワインほど、独特な風味を損なわないようにフィルターを全くかけないか、ほとんどかけていないためにこの澱は出やすいものです。

 勿論、これも良いワインであることの証明になりこそすれ、悪い作用は全くありません。

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