ワイン用のぶどうの味ってどんな味?
写真はカベルネソーヴィニヨンと巨峰
8月末頃からフランスではワイン用のぶどうの収穫が始まります。
ぶどうは品種によって早生のものと晩生のものがあります。
早生の品種の有名なものはミュスカデとメルロー。
ミュスカデは8月の末頃に各地方のトップバッターとして収穫が始まります。
ボジョレー地方のガメイ種やボルドーのメルロー種も比較的早く、9月の初旬〜中旬に収穫されます。
遅いので有名なのはボルドーのカベルネ・ソーヴィニヨンです。10月中旬以降収穫となるので、この時期に雨が降りやすいフランスで一番損をしやすいタイプです。
メルロー主体の右岸のサンテミリオン地区とカベルネ主体の左岸のメドック地区で右岸の方が良いビンテージ、例えば1998年はメルローの収穫のあとに雨が降り出した年です。
10月後半以降は主に甘口ワインの収穫が始まります。
ところで、ワイン用のぶどうと生食用のぶどうの違いはどこにあるのでしょうか?
僕がまだ大学生だった頃、「ワイン用のぶどうは苦くってとても食べれたものじゃない」
と物知り風な年輩の人に言われたことがありました。苦味の強い赤ワインを飲むと尤もらしく聞こえますね。
ところが1990年実際にフランスの収穫に参加した僕はそれが大きな間違いだったことが判りました!
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| ミュスカデの収穫にて 赤ちゃんの手にあるぶどうの房に注目! 彼は当然この甘いぶどうを美味しそうに食べていました。 |
ワイン用のぶどうは本当はスゴーク甘いのです!
収穫1週間前のロマネコンティ(!)のぶどうを、今は有名人になってしまったソムリエの佐藤陽一氏と畑に無断で1粒ずついただいたこともありましたが、そのぶどうの甘さと言ったらもうドロドロでコッテリとしていました。とても生食用の比ではありません。
これは考えてみたら当然のことです。このドロドロの糖分が豊かなアルコールに変わるのですから...ちなみにアルコール度を1%上げるのに1L中18grの糖分が必要です。
グランクリュクラスのワインにはアルコールが13%程ありますから234gもの砂糖が入っている計算になります!
(生食用のぶどうではアルコールは10%にもなりません。)
さて、甘さと共に目に見えてはっきりとした大きな違いがあります。
それは「ワイン用の品種はぶどうの粒がとても小さい」ということです。
カベルネ・ソーヴィニヨンもピノ・ノワールもシャルドネもみんな小粒なぶどう達です。
ワインにとって最も大切なものは香味成分です。その香味成分はぶどうの果皮と果皮に近い果肉の部分に最も多く含まれています。
ぶどうの粒が大きくなると相対的に果皮と果皮に近い果肉の比率が減って普通の果肉の部分が多くなってしまいます。そのために優れたワイン用のぶどうは全て小振りになっているのです。その上タネが比較的大きいものが多いのでこれを食べる
のは本当に疲れてしまいます。
とはいえ、ワイン用のぶどうを食べる、ということはワイン愛好家にとっては一度は経験してとても楽しいことです。日本酒用の酒造米を食べることよりよっぽど簡単なので(そのままモギ取って食べればよいことなので)勝沼などにでも行く機会があれば、一度試してみてはいかがでしょうか?(勿論ワイナリーの人の許可をとってくださいね!)