12 「南フランスワイン事情」

南仏で出会ったスーパー・ヴァン・ド・ペイ
アルジール(粘土)ドメーヌ・レクトリー
現地価格でFF100(日本未入荷)
繊細かつ複雑な味わい

 今年の始め、スペインとフランスを回ってきました。
 フランスでは、甘口ワインの生産地南フランスのバニュルスを訪問しました。その後パリのワイン売場などもみてきましたが、とても印象的だったことがあります。

 従来大衆ワインを大量生産していた南仏のラングドック・ルーション地方で限定生産の高級ワイン、しかもそれがA.O.C.の枠にとらわれないVin de Paysの格付け(フランスワイン法上の最下位)で生産されているのです。
 価格的には、それこそボルドーのブルジョワ級やブルゴーニュの1級クラスの価格であり、今までのラングドック・ワインの常識を覆すものです。

 おそらくこれはイタリアのスーパー・ヴノ・ダ・ターボラの流行にみられるように伝統にとらわれない流行の造りを限定して行ってマニアをターゲットにしていく手法を取り入れたのだと思います。

 今のところ、日本でもほとんど紹介されていませんが、これがひとたびアメリカの専門誌で100点満点がついたりすると、突如1本1万円!という事態が起こってしまうのです。

 無名な地方のワインでも、優れたワインが正当に評価されることは喜ばしいことですが、ワインが投機の対象になって本来の価値とかけ離れた価格になったり、流行が終わったから急に価格が暴落したりすることは長い目で見て決して良いことではないと思います。

 南仏では、この10年間に以前の4Lカスク入りの安ワインの製造から、カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー、シャルドネといった高級品種を植えて、ぶどう品種名の適切な品質のワインを手頃な価格で売り出し、世界的な成功を収めました。
 
 このことはラングドックワインの質の高さを世界に認めさせたことから、Vin de Pays革命といわれています。
 今回も成功すれば第二次Vin de Pays革命と呼ばれるかもしれません。
 ただ、ワインを愛するものとしては、ワイン生産家が利益が出なくて廃れていくことは決して望みませんが、投機の道具のようになって欲しくないと思います。

 南仏の皆さん、これからも美味しいワインを適切な価格で飲ませてください。


南仏バニュルスのぶどう畑

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