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(c) Hanami Saito |
最高のビンテージ?
歴史的な猛暑に見舞われた2003年の欧州で、マスコミ各紙では「ワインが最高の出来に・・・」という記事がよく見受けられます。
各地で例年よりも3週間も早い、という異常な早熟で収穫がされました。
確かに早飲みのボジョレー・ヌーボーなどは、問題なく果実味たっぷりのワインが出来上がりそうな予測がたっています。
ただし、長期熟成型のボルドーやブルゴーニュの高級ワインというと、良いビンテージではありそうですが、2000年ボルドーや1999年ブルゴーニュのように最高か?といえばそう簡単に話が解決しません。
僕がフランスにいた89-90年もよく滞在時に、特に夏の暑かったボルドー1989年のビンテージをどう見るか、ということが専門家の間で議論されていたことを思い出します。
当時、マスコミで世紀のビンテージと報道された89年ですが、専門家の間では90年初頭時点でクラシックな88年に比べると酸が足りなく早飲みビンテージであろう、といわれていました。
今年についても同じようなことがいえるのかと、推察できます。
(ただし、89年ボルドーは優秀年であることには、異論がありません。おそらく2003年よりもよい年でしょう。あくまで、90年当時における88年との比較でのこと。89年オーブリオンなどは傑出したワインが出来上がっています
。)
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(c) Hanami Saito |
現地からの報告では
ボルドーで活躍する斎藤花実さんからも、糖度が高い割に、極度の水不足がフェノール系の熟成をブロックしタンニンのキャラクターが今一歩、というメールが来ています。
パリ在住で特にブルゴーニュの有力ドメーヌとの関係が深い堀晶代さんからも同様の指摘がされています。彼女のホームページ、"La Mer du
Vin"では、ブルゴーニュの名門、ドメーヌ・クロード・デュガでの今年の収穫の様子が報告されています。
偉大なビンテージとは?
それでは素晴らしいビンテージとは、どのような特徴があるのでしょうか?
教科書的に話をすると、「4月から6月の気候が収穫量を決定し、6月から10月の気候が品質を決定する。」とか、「ぶどうの開花から100日間の天候がビンテージを決定する」といわれています。温暖化の進む最近では、70年代までのように、単純に暑く雨が降らなければ素晴らしいビンテージとなる、ということにはなりません。(そうであれば、ニューワールドの方が遙かに優れたワインが出来る)
先日、2000年の5大シャトー(ボルドー)を確認する試飲会と1959年のミュジニー(ブルゴーニュ)を試飲する幸運に恵まれました。2つとも最高のビンテージといわれています。
その時に強く感じたことは、果実の完熟感もさることながら、何よりも非常に上品な酸のキャラクターが特徴的でした。
未熟果の酸は薄っぺらく、舌をつくような感覚がありますが、上品な酸は味覚を刺激し、味や香りの余韻をとても永く保持します。
マルゴーやラフィット2000年の驚異的な余韻の持続度は感動的でした。
そういえば先日ニュージーで活躍している、日本が誇るワイン醸造コンサルタン
ト楠田浩之さんが、なぜ世界の専門家がニュージーランドのワインに注目を始め
たのか?という話をしてくれました。
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(c) Hiromi Ooka |
曰く、「夏場の日中気温が25℃になるのに、夜間は南氷洋の冷たい風が吹く時は5℃にまで下がることがよくある。この時にぶどうは軽い冬眠状態になり、成熟に大変時間がかかる。この大変に時間をかけて熟成することで、様々な要素がバランスよく整うので理想的なワインづくりが可能になる。もちろん収穫期は大変乾燥して雨が降らない。」・・・と言っていたのを思い出しました。
何事も、偉大なものは時間をかけて完成する、ということなのでしょう・・・
ところで、最近オフビンテージか?といわれていた2002年ボルドーの評価が、特に右岸のサンテミリオンを中心として上がってきたようです。
1年半ほどの樽熟成を経て瓶詰めされる高級ワインのことですから、最終的な判
断はいつまでもミステリーです。
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