
第1回 パリから
長い間ムートン原稿をご無沙汰しています。実はワタクシ千賀紗季は、とある財団の奨学金を得て、パリへ2年間留学にすることになりました。 もうすでに2004年9月からパリに入り、パリ第4大学(いわゆるパリ・ソルボンヌ大学ってやつです)の博士課程に登録をして、学生生活をスタートしています。フランス現地に来ているからこそ、色々ムートン原稿のネタを探して書きたいと思いつつ、ほぼ毎日自宅と大学と国立図書館(通称BN、「ベーエヌ」ってやつです)通いに明け暮れ、まとまった時間が取れないのが実情です。とはいえ、せっかくパリにいるので、何か発信できればと思って、サイトオーナーの内池さんにご相談したところ、私のパリ生活日記のようなものを掲載させていただけることになりました。ムートン原稿もいつか時間を見つけて、書き続けたいと思いますが、しばらくは、こちらのページで発信していきます。 「パリ生活」とはいえ、このページに、フランス流おしゃれや、スノッブな情報を期待しないで下さい。「三ツ星レストラン」「高級ブティック」「観光スポット」…、そういった情報は雑誌やガイドブックにたんまり掲載されていると思うので、ここではあえて書きません(というか、書けません)。 パリに入って約半年、観光向けの「ツンと取り澄ました」パリとは全く別の、かなり間が抜けていて、おっちょこちょいなパリの顔が見えてきて、住んでみてわかった事を書き留めていきたくなりました。だから、ここに書かれるのは、「今が旬のパリグルメ情報」でも、「パリ流エレガンス講座」でもなく、どことなく笑えるおマヌケ巴里人間模様です。 初回は私の基本情報から。大学はセーヌ左岸カルティエ・ラタンにあり、週3日通っています。博士課程の登録なので、授業はセミネール(Seminaire)と呼ばれます。いわゆる一般の講義形式で、とりたててひねったところはありません。もう1箇所、私が日曜を除いてほぼ毎日通っているのが国立図書館のフランソワ・ミッテラン館。ここで缶詰になりながら、文献と格闘しています。 午前中には出掛けて、ホームステイ先の家族と夕食を食べるために、夜7時くらいまでに帰宅。しばらくステイ先の子供と遊んだりテレビを見たりして、家族と夕食。子供たちが就寝した8時(早い!)以降には、テレビを見たり、読書をしたり、PCに向って過ごします。基本的にはこの生活の繰り返しです。
ここまでお読みの方の中には、「なぁんだ、ちっともパリらしい生活送ってないじゃないか」と思われるかもしれません。もちろん、たまには舞台を見に行ったり、買い物にも出掛けますし、友人と夕食をしに行ったりもします。でも、約半年、ほぼ同じ時刻に家を出掛け、ほぼ同じ時刻の電車に乗り、ほぼ毎日同じ場所に通うという規則的な生活を送ってみると、パリという街の規則的なリズムのようなものが立ち上がってきて、それまで目にも留めていなかったものを、「あれ、これって毎日見るかも」「この人、この間も見たかも」という風に、突然興味をそそる素材に変貌させたりします。次回からは、そんな平坦な生活の中にあるちょっと笑えた話題をお伝えしたいと思います。
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作者 千賀 紗季(ちが さき) 某都内有名大学大学院文学研究科(フランス文学専攻) 博士前期課程修了 現在、パリ・ソルボンヌ大学博士課程留学中 ワインライター葉山考太郎氏がCHムートンについての執筆をするときにフランス語文献の原書翻訳を担当したことから本格的にワインに出逢う。 以来、フランスワインをこよなく愛し(男性よりも?)、今日に至る。湘南地区在住。 |